1.「差別化するストーリー」の描き方の構成紹介
2.「差別化するストーリー」の描き方の感想
日本は経済的に恵まれ、生活する人々は豊かになりました。
それにより生活者はモノの「高品質」だけではモノを買いたいとは思わず、そこに価値を感じなければ行動しません。(「私向きではない」となる)
そこで大事なのがコンセプトです!
「差別化するストーリー」の描き方は、具体的にどうやってコンセプトを作っていけばいいのかを学べますよ。
本書を読むきっかけ【こんな人におすすめ】
それを上司に相談したら、「デザインの企画書はコンセプトが肝。コンセプトが伝わらなければ、クライアントはOKださない」と言われたんです。
だからコンセプトを学ぼうと。そんなときに
- そもそもコンセプトってなんだろう?
- コンセプトの意義って?
- コンセプトってどうやって作ればいいんだろう?
こんな疑問をもったからです。
「差別化するストーリー」はこんな構成
本書の各構成は下記のとおりです。
【第2章】いい「コンセプト」ってなんだ?
【第3章】実践。「コンセプト」の作り方
【第4章】「賢いコンセプトメーカ」ーになろう
【おわりに】
とくに僕がおすすめなのが【第3章】です。
なぜなら実際にどうコンセプトを作っていくのかを、ステップで解説してあるので、実践をイメージしながら読み進められるからです。
またそれぞれの過程で重要なポイントが言語化されているので実践的なテクニックも学べると思います。
【おすすめPOINT】事例がめちゃくちゃ豊富→イメージしながら読める!
本書では、コンセプトが生まれる過程のその事例や、概念をわかりやすくした図解がたくさんあります。
その数なんと97事例。
事例が豊富にあることで、
- 明日コンセプトをつくならければ!どう活用すればいいのか
- なるほど、こうやってコンセプトを決めればいいのか
と理解度が深まるようになっています。
そもそもコンセプトって?
コンセプトとは「新しい価値の提案」です。
世の中的には優位性だったり、会社の特徴だったりを、コンセプトということがありますが、本書では「違う」といっています。
大切なのは、社会の欲求・ニーズを踏まえて、従来の価値を壊し「新しい価値の提案」をすることで、商品・サービスに新たな意味づけを行うことです。
ここで大切なのは
- 従来の価値をどう変えたのか?
- 世の中が求めている価値観に、どう変化させれたのか?
つまり「これが」→「こうなる」という図式=MAKE NWEがコンセプトになければなりません。
そして新しいコンセプトを世の中に提案することで、生活者の行動を変えて、社会全体が変化する。
その結果、「世の中の幸せ」になるにつながるが理想です。
いいコンセプトとは?
新しい価値提案とは世の中の流れを踏まえて、『暮らし方の提案をふくめて付加価値を与える』ことです。
その際に大事になってくるのが6つの視点です
- 新しい価値観があるか
→人々の関心はハードからソフトへ。また新しい暮らし方や生き方に、情報的価値への移行 - ホカとの差別化があるか
→相対的ではなく、絶対的 - 時代の予感はあるのか
→これからの生活や暮らしの新しい方向性をしめす。
生活者の内在する欲求をコンセプト化し、それを技術革新によって新しい価値として、世の中に提案する - 戦略性があるか
→ちょっと品質を高めましたではだめ。
品質、価格、人材、物流、流通などの仕組みの中心にコンセプトをおく。
全体を有機的に動かすコンセプト - 人の幸せや喜びにつながるか
→人の喜びを増幅させるか。
ココロを豊かにするか。
それは社会全体を豊かにしていくか。 - ブランドにつながるか
→持続的発展に必要なブランドにつながるか。
コンセプトは部分では成り立たない。
いい製品とは?
いい製品は新しい暮らし方を予感させます。
いい製品には、下記の3つの流れがつながることで作られます。
- いいコンセプトがある。
- コンセプトを実現する技術力
- 市場へ提案する言語化
変化に合わせるのではなく、変化をどんどん作っていかなければなりません。
「差別化するストーリー」の描き方で学んだこと
コンセプトは言葉がつくる
コンセプトは閃いただけでは何にも繋がりません。
社内・関係者を含めて、共通理解されるような言葉化というプロセスが非常に大切です。
本書では言葉化の役割として、下記の7つがあげられています。
- 思想をみんなと共有化する
- すべての行動の指針となる
- 向かう方向を示す
- 個性化を明確にする
- モチベーションを高める
- 具体的な戦略の出発点となる
- 企業ブランドにつなげていく
イメージでしかなかった概念を、一言でイメージできる言語で規定する。
それにより、人々を動かすものすごい力を獲得し、目指すべき方向性を社会全体に示すことができるのです。
コンセプトは行動がともなうべき
コンセプトで大切なのは、単なる概念として終わらせないということ。
お客様、ひいては社会全体の「こうしたい」や「こうしてあげたい」という想いを言語化(=コンセプトとして定義)し、それを世の中に提案する。
そういった”行動”をともなわなければなりません。
そしてそれらに納得・共感してもらわことで、新しい進展や発展が当然伴うので、
広めるためには行動が必要であり、それにともなった戦略や戦術が必要です。
他社との競争に勝つために、長期的な展望から考えた発展的な計画。
戦略を達成するためのアクションブラン。「売れる仕組み」をつくるマーケティングを取り入れる
それは例えば、
- 実際に購入欲求を高めて新たな販売につなげる
- 競合他社との差別化をすすめる
- 社内の仕事への意識が高まる
などです。