Webディレクターのたかりょー(@RyoooooTaka)です。
「ベネフィットって言葉を聞いた。メリットと同じ意味くらいに思っていたけれど全然違うらしい、どんな意味かを詳しく知りたい」
このような方に向けた記事をご用意しました。
ベネフィットはWebやデザインなど広告全般に関わる人は必ず覚えておくべきキーワードです。
実際は僕はディレクターとして常に10件くらいクライアントワークをしているのですが、企業のコーポレートサイトやブランドサイト、ECサイト、サービスサイトを作るときに常にベネフィットを意識して作っています。
そしてデザイン提案をする時にこのベネフィットを伝えて話と多くのお客さんが「なるほど」と納得されることがあるので、デザインを作る時にはこのベネフィットは必ず意識するようにしたほうがいいです。
ベネフィットとは
顧客が商品やサービスを買うことで得られる利益のことです。
例えば、「アルコール度数が高いお酒」。
お酒は「いい気分になりたい」「嫌なことをお酒の力を借りて忘れたい」、「女の子と楽しく会話したい」などベネフィットに当たります。
アルコール度数が高さと言うのはあくまでメリットであり、ここでのベネフィットは「早く酔いがまわりたい」がベネフィットです。
そのほかは例えば下記のようなものがベネフィットです。
・友達と何時間でもゆったりとくつろげる(カフェ)
・ワンちゃんが元気な姿で走り回って欲しい(犬用車椅子)
・いつもよりちょっとおしゃれな気分で食卓を飾りたい(高い目な陶器)
・爆速あるいは簡単に自分が成長できる指導を特別にしてほしい(メンター)
要はベネフィットで大切な考え方は、**商品のメリットで、顧客がどのような良い体験がもたらされるのか?どのような良い変化があるのか?**という視点をもつことです。
ベネフィットを意識することが売れる秘訣
商品・サービスを売る際に最も大切な視点は「ユーザーが本当に望んでいる利益・価値=真のベネフィット」を相手に伝えることです。
なぜならベネフィットが買う理由になるわけなので、自ずと成約率や売上アップにもつながるからです。
現代は商品・サービスが多様化しており、ユーザーはどれを買えば良いのか迷うケースが増えているわけですが、そんな時代だからこそ、商品のベネフィットが明確化されて、ユーザーに分かりやすくベネフィットを伝えて、それに共感してくれれば、今よりももっと商品・サービスが売れるはずです。
さらにベネフィットをとがらせることで「~を購入するなら、〇〇社」「~サービスを使用するなら〇〇社」と指名買いのケースまでつながることもありますよ。
ベネフィットは、具体的な言葉で示すべき
ベネフィットは具体的な言葉で表す必要があります。
なぜなら顧客は心の中に思っていても、自ら意識しているわけではないからです。
言葉で示すことで「これを使ったら自分はこうなれる」とより解像度を高くイメージしやすくなるので、ベネフィットが引き金となってお客様を行動させてくれます。
ベネフィットを理解するには?
ニーズや課題・悩みを掴むこと
ベネフィットを理解する上で、ターゲットの立場に立ち、彼らのニーズや問題・不安にしていることを徹底的に洗い出すことが大事です。
なぜなら、ベネフィットの多くは、ニーズや課題・悩みに対する解決策だからです。(ニーズとは「〇〇したい」と言う言葉で表現されます)
そしてベネフィットはある問題に対して、「〇〇をつかえば〇〇になりますよ」と、ユーザーに解決を約束する契約と言っても良いからです。(購入とはその契約を結ぶことと同じです)
ニーズを掴む方法はたくさんありますが、インターネット検索は非常に便利です。
Googleマップや大手ポータルサイトには大量のクチコミがありますし、SNS(ソーシャルメディア)から引き出す手もあります。
POINT
- ベネフィットはニーズを満たす=課題や悩みを解決すること
何より製品理解が大事
ベネフィットを考える際によく陥りがちなケースとして、商品・サービスを理解しないまま「ベネフィットはなんだ?」と考えること。
そもそも製品の理解を深めないと、深いニーズはつかめませんし、そこからベネフィットを推しはかることもできません。
例えば工業用のねじ。
ねじは一つでもゆるむと大きな事故を引き起こすリスクがあるので、評価試験によってねじの「性能」を確保し、また検査による「品質確保」も必要といわれています。
なので品質検査手法、検査装置が充実していると、ターゲットにとっては「性能や品質がしっかりしているんだな」となります。
また顧客がネジを選んでいるポイントとして、
- 各素材に適したネジがある。( 例えばコンクリート用のネジ、機械構造物用ネジ、エンジン用のネジ)
- 安全な設計を達成す流には十分な強度が必要。
- 長さやねじ径などのネジ自体の特徴から選択することもある。
- ネジの強度だけでなく、使用用途に適しているか判断する。
- 業界的に、コネクションでの仕事のやりとりが多く全く新しい異業界への進出が難しい。
上記のような製品に関する知識がないと、「顧客が何を求めているのか?」を掴むことはできません。
何が違う?メリットとの違い
マーケティングに詳しい人なら、メリットとベネフィットは何が違うの?となるでしょう。
メリットとは単純なウリや特徴のことです。
例えばランディングページや広告のバナーでよく見かける、「軽量化に成功!」「高画質」「〇〇成分配合」のようなもの。
メリットは羅列したからといって、商品が売れるとは限りません。
あくまでユーザーは顕在的・潜在的にせよ、購入によってどんな恩恵を得られるのか、プラスな影響を求めているのです。
つまり、メリットの先に、「じゃあ何が私にとって利益なのよ」と言う部分が気になるのであり「メリットはこれだけありますよ!」は、企業よがりな訴求になってしまうのです。
チェック!
- ベネフィット→顧客が商品・サービスを購入することで得られる利益。メリットによって得られる恩恵。(「セラミド」で潤いに満ちた肌を手にして今よりも10歳若く)
- メリット→商品がもつ売り・ メリットがベネフィットにつながらないことも。なのでそれを押すことは企業よがりの宣伝になる
三種類のベネフィット
ベネフィットには3つの種類があります。
下記の3つです。
・機能的ベネフィット
・情緒的ベネフィット
・機能的ベネフィット
機能的ベネフィット
機能的ベネフィットとは、商品・サービスの”機能”に紐づいた価値のこと。
性能、原材料、安全性、サポートなど商品本来の機能の変化や体験によって得られる価値です。
【服を例に、機能的ベネフィット】
・暖かくて寒くない
・ごわごわしてなくて、使い勝手が良い
・サイズがぴったり良い…等
情緒的ベネフィット
情緒的ベネフィットとは、商品・サービスの利用で心の変化です。
安心感や信頼感、爽快感など、人間の感情に届く価値のことですね。
【服を例に、機能的ベネフィット】
・モテたい
・おしゃれをすること自体の楽しさ
・周りから注目を浴びたい
自己表現ベネフィット
自己表現のベネフィットは、情緒的ベネフィットのなかで、より自己にベクトルが向いた「自己表現」に根ざした価値のことです。
「私は」と言う主語で表現されるベネフィットです。
ちなみに自己表現ベネフィットは社的評価にも直結します。
【服を例に、機能的ベネフィット】
・理想の自分に近づける
・自分に自信を持てるようになれる
・自分らしさを表現できている
その価値には、デザイン、質感や触感、原産地、物語性、ブランドなどがあり、そのまま社的評価に直結します。
ベネフィットを考える、魔法の言葉
ベネフィットを考える際には、常に「顧客は何を買っているのか。」を想像すること。
そして「顧客は購入することでどんな良いことがあるの?」かを考えることです。
これらは全て製品理解をし、顧客のニーズを深く掴むことが大切です。