こんにちは、集客デザインです。

こんな疑問や要望をもつ方に向けた記事を用意しています。

プロスペクト理論とは?

プロスペクト理論とは、簡単にいえば、
1.あ〜損したくない!!←損があればリスクを回避
2.利益が確実ならを手にしたい!!←確実性の高い利益を好み
という2つの心理的な働きのことです。
実はこの『損を回避したい』と言う心のメカニズムが、消費者が「買うor買わない」の意思決定をする際に重要な役割を担うんです。
・損失を被る時は最大限の回避を優先
・確実に手に入る利益を優先
【分かりやすい例】あなたはどちらの家電量販店を選びますか?
「損を回避したい」って心理状況を、もう少し分かりやすくするために、身近なところで例を出しましょう。
あなたは、家電量販店で冷蔵庫を買おうとしています。
家の近所に店舗を構えていることから、A店かB店、どちらかで購入しようと考えています。
そんなとき、両店舗で年に1度の特大キャンペーンが実施されることが分かります。
A店→『50%OFFキャンペーン』=ただ割引されるのは、2000人に1人。
B店→『20%OFFキャンペーン』=誰が買っても無条件に割引。
さて皆さんはどちらの店舗で冷蔵庫を買いますか?
当然、Bを選択する人が多いでしょう。
なぜなら、
A店→“2000人に1人”=キャンペーンが適用されるか不確定な状況
B店→“無条件に20%割引”=確実にキャンペーンが適用される状況
だからですね。
この時、どのような心理的な動きがあるのかというと、、

こんな風に『損をしたくない』と気持ちが強く心の中で働いているわけです。
プロスペクト理論【2つの型】
プロスペクト理論には2つの型があります。
■リスク回避型のプロスペクト理論
■損失回避型のプロスペクト理論

リスク回避型のプロスペクト理論
リスク回避型のプロスペクト理論はリスクを犯して得る利益よりも確実性な利益を選ぶ心理のことです。
例えば、ギャンブル好きの友達に2つの提案をされたとします。
■提案A.じゃんけんしなくても5,000円あげるよ
■提案B.1度のじゃんけんで勝ったら30,000円あげるよ
皆さんはどちらを選びますか?
おそらく、ほぼほぼAを選ぶ人が多いですよね。
なぜなら、何もしなくても5,000円手に入るからです。
とはいえ、1度のじゃんけんで勝つ確率は1/3なので、
B→30,000円×1
と10,000円もらえる可能性があるわけです。
つまり、Aを選ぶよりもBを選んだほうが5000円も多く利益を獲得できる可能性があるんですよね。
このように
×じゃんけんに負けるというリスク→○確実に損しない選択をとる
これがリスク回避型のプロスペクト理論です。
損失回避型のプロスペクト理論
損失回避型のプロスペクト理論とは、確実に損する状況を回避したくなる心理のことです。
では続いてこのように友達に提案されたらどうでしょうか?
■A.じゃんけんに参加しなければ5,000円没収するよ
■B.1度のじゃんけんで勝ったら30,000円あげるよ
こちらだと、手のひらを返したように、Aを選択する人が増えるでしょう。
なぜなら、参加せずお金を取られる(=損失を被る)くらいなら、じゃんけんで負けるかもという不確実+リスクを取りたくなるからですね。
という損したくない心理が働くを選択しようとするからですね。
つまり損失に対してはたとえリスクを取ってでも回避しようとするのが、損失回避型のプロスペクト理論なのです。
プロスペクト理論のポイント【人間心理の勉強にもなるよ】

それではプロスペクト理論を3ポイントで解説していきましょう。
ポイント01→得よりも、損を避けるよう作られている
ポイント02→利得よりも「損したくない!」を“強く”感じる
ポイント03→人は主観的な参照点を持っている(相対的な基準がある)

ポイント01→得よりも、損を避けるよう作られている
人の心理には“損失回避性”が働いています。
損失回避性とは、利得を求めるよりも、損失を避けたいという心理的な動きです。
このような傾向は、恋愛時、顕著に出てきます。
例えば、以下の場面を想像してください。
中学生のAさんは、同じクラスで同じ班のB君のことが大好きです。
仲の良い友達からは「B君、いつもAさんのこと見てるよ。楽しそうに喋っているし、両思いに決まってるよ!」と後押しされています。
脈としては、上々ですね。(友達からは告白したら成功率は90%とまで言われています)
でもAさんは、
■複数の子たちもB君のことが好きだと知っている(告白したら嫌われる可能性がある)
■友達の言ってることって本当なのかな?と不安
■同じクラス+同じ班だから、万が一、告白に失敗するとB君とは今後喋りにくなる
■もし告白さえしなければ、このまま楽しく時間を過ごすこともできる
このような懸念点があります。
こんなシチュエーションでAさんは果たして告白するでしょうか?
おそらく、我を忘れるほど好きな人か、すごい勇気のある人でないと告白しませんよね。
なぜなら、告白で得る利益(=付き合う)はかなり大きいですけど、リスクや損があって行動にうつせないからです。
このように、人はどれほど得をする状況に立たされても、損に対して敏感に反応するようになっています。
ポイント02→利得よりも「損したくない!」を“強く”感じる
この点は、なぜ人は損を極端に避けたがるのか?の理由づけになっていますよね。
実は、人って得したい心理よりも、損をしたくない心理のほうが2.5倍ほど強く働きます。

そして、「利得による幸福よりも、損失で被る苦痛の方が強い」という心のメカニズムを利用して、マーケティング戦略を練ることができるんです。
ポイント03→人は主観的な参照点を持っている(相対的な基準がある)
これは、人が得をした!損をした!の評価は
その人個人(主観)が設定した参照点
があるということです。
要は損得を感じる“基準点”が心にはあるわけです。(基準点はほとんどが『いま・現在』になります)
例えば、
・これまでグリーン車にのってきた人が、一般車に乗る
・これまで一般車にのってきた人が、グリーン車に乗る
の2つでは、“席を変える”という行動は同じですが、主観的な損/得の感情は違ってきます。
前者→得はあまりないけど、損がものすごく目立つ
後者→得がものすごく目立つけど、損はそこまで目立たない
となりますよね。
あるいは、お金の得/損の違いを考えると
1000万円→970万円
40万円→10万円
同じ30万の金額の減少ですが、圧倒的な差が生まれてますよね。
【事例】プロスペクト理論をマーケティングに活用すると

続いてプロスペクト理論をマーケティンに応用する例をご紹介しましょう。
01.特別待遇制度
02.セールスライティング
03.〇〇の日だけ限定!【キャンペーン】
04.比較サイト
05.メンテナンスシステム(保証)

事例01.特別待遇制度
特別待遇制度は、プロスペクト理論を用いています。
例えば、会員制の料理店は高額な年会費を対価に“特別なサービス”を売っています。
・とことんこだわった食材
・一般点では受けられない特別待遇
・贅沢なひととき
このような特別扱いを何度も受けた顧客は、エンゲージメントや心理的価値が高まっていきます。
すると、損失回避性(=いまの生活レベルを落としたくない)が働き、現状をなんとかキープしようとします。
損失は痛みを伴うからですね。
育てる行為を通じて、顧客は他店舗に逃げない優良顧客や、自発的に口コミを広げるプロモーターに成長させるとができます。
特別待遇制度の具体的な例をいうと、
・ANAの上級ランク会員(ステータス保持者)として優遇
・レクサスのオーナー特典(レクサスオーナーズカード)
・オンラインサロンで有益な友人や情報を獲得できる
などで使われています。
事例02.セールスライティング
セールスライティングで、プロスペクト理論はよく使われます。
例えば、以下のような流れで使われることがあります。
1.この商品を手にすれば、こんな未来があなたに待っていますよ
2.でももし商品を買わなければ、あなたの未来は決して変わりません。現状のままです
3.勇気を出して一歩踏み出しましょう(一度試してみませんか?)
つまりセールスライティングで1.『理想の姿=参照点』を設定し、2.『現状と未来のギャップ=損失』を明確に示し、3.おすすめしていくわけです。
この技術は、
・美容系(ダイエット等)
・住宅(新築・リノベーション等)
・金融系(投資等)
・情報商材(ネットビジネス等)
・宗教系の勧誘
等のランディングページやメルマガで使われています。
事例03.〇〇の日だけ限定!【キャンペーン】
これはかなり効果のあるマーケティングの例です。
例えば、僕の家の近所に、月曜日限定で全品10%OFFのスーパーがあるんですが、これってまさにプロスペクト理論を応用しています。
僕の心理状態からすると、
×安いから月曜日に行く(得する)
○月曜じゃなしに火曜とか水曜に行ったらもったいない(損する)
という心理状態のほうが強いわけです。
だから、損したくないがために、何としても月曜はそのスーパーに猛ダッシュするんです。
この手法っていろんな業界で使われて成功をおさめているので、汎用性や再現性はかなり高いと思います。
事例04.比較サイト
新しい商品やサービスを選ぶ際、ほとんどの人が“比較サイト”を参考にするかと思います。
なぜなら、もっと良い商品がないか探したくなるからですよね。
実は比較サイトもれっきとしたプロスペクト理論に基づいたマーケティングになります。
例えば、皆さんが商品を買う時に、
・一つの商品だけがあって「この商品良いですよ!」と訴求される
・比較対象があり、違いを明らかにされた上で「この商品良いですよ!」と訴求される
どちらが買いやすいでしょうか。もちろん、後者ですよね。
その理由は、購入のメリット(=利益)が明確になっているからですよね。
そして、
「利益」の確実性を強調し、買う商品に「損失」はない点
を比較サイトを通じて暗に示しているんです。
事例05.メンテナンスシステム(保証)
メンテナンスとは、まさにお客さんが「損失」を受けるないよう保証するシステムですよね。
誰でも新しい商品・サービスを買う時は不安です。
なので、購入前に保証を与えることで、損失を取り除いてあげるわけです。
すると目の前の”利益”に確実性が生まれてくるので、結果的に、購買意欲を高めることになります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
本日はプロスペクト理論の基礎知識と、事例についてご紹介してきました。
最後に、今回どんな内容をお話してきたのかを以下にまとめておきますね。
プロスペクト理論とは?
【分かりやすい例】あなたはどちらの家電量販店を選びますか?
プロスペクト理論【2つの型】
→リスク回避型のプロスペクト理論
→損失回避型のプロスペクト理論
プロスペクト理論のポイント【人の心理の勉強にもなるよ】
→ポイント01→得よりも、損を避けるよう作られている
→ポイント02→利得よりも「損したくない!」を“強く”感じる
→ポイント03→人は主観的な参照点を持っている(相対的な基準がある)
【事例】プロスペクト理論をマーケティングに活用すると
→事例01.特別待遇制度
→事例02.セールスライティング
→事例03.〇〇の日だけ限定!【キャンペーン】
→事例04.比較サイト
→事例05.メンテナンスシステム(保証)


・他の記事を読んで調べたけど、グラフや数字ばかりで意味が分からない。もっと分かりやすく説明してほしい