こんにちは、たかりょーです。
今回は下記の人に向けた記事になります。
・売れる商品、サービスを作るための法則を知りたい。
・自社サービスや商品をどうグレードアップすればいいか分からない。
ジョブ理論を理解する上で、この点だけは覚えておこう!
人は「プロダクト」を購入するのではない!ジョブを成し遂げるために「プロダクト」を雇っているのだ。
ジョブ理論とは?
ジョブ理論とはユーザーが「本当に欲しい物はなにか?」を顧客中心で見つけるアプローチ方法のことです。
ユーザーの購買行動の背後にあるメカニズムを論理的に解明し、ユーザーの真の「ニーズ」を正しく捉えていきます。
ジョブ理論に基づいて思考することにより、「なぜ買うのか?」というユーザーの根本的な購入理由を明らかにでき、彼らが本当に欲しいものを正しく見極めることで、それぞれの理由に合わせた解決策(=プロダクト)を提示ができるようになります。
ジョブ理論で重要視されるのが「ジョブ」という要素
さて「ジョブ」という言葉を聞いて、意味がすぐにピンとくる人は少ないと思います。
ジョブとは「特定の状況でユーザーが成し遂げたい進歩」のことを意味します。
ユーザーは自分自身が置かれている状況に対して、何らかの不満・不足や達成したい目的を抱えているものです。
そして各々はプロダクト(商品)やサービスを手にすることで、不満・不足の解消、目的の達成し、心情的な快感や喜びを得ます。
ジョブ理論を理解するには、上記のように、ユーザーが自身の状況をより良い方向へ変化させるため、何を目指して、何に苦労しているか(壁)を理解して、彼らの「ジョブ」を達成するための解決策や体験を提示することが大切になってくるのです。
ジョブ理論を理解する4つの視点!
「ジョブ理論」には基本構造があります。
それは下記の4つです。
- 消費ではない、「片付けるために雇う」
- ジョブは顧客の状況によって決まる
- ジョブの片付けは、機能的なメリットだけではない
- ジョブはいつでも解雇される!
それぞれ詳しく解説していきますね。
消費ではない、「片付けるために雇う」のだ!
ジョブ理論の最大の特徴は、商品の使用や購入を「消費」と捉えてないところです。
ジョブ理論では、ユーザーはジョブを成し遂げるために、ある商品・サービスを自らの生活に引き入れて(=雇用)片付けるという考え方をします。
例えば、カフェに行くのは「コーヒーを飲む」という単なる消費行動ではなく、
- 友人や恋人と話す
- 一人の時間をゆっくりとした時間を過ごす
- 喉の渇きを潤す など
ジョブを片付けるために、「カフェという空間」を雇っているわけです。
記憶しよう!
「ある商品(A)を購入する」のは、「片付けるべきジョブ(仕事)のために、Aを雇う」ということです。
ジョブはユーザーの置かれた状況によって決まる
ジョブはユーザーの置かれた状況によってさまざまです。
そして特定の状況を定義することこそ、ジョブの見極めには非常に重要となります。
例えば、ある男性が「服を買う」際のジョブを考える際、
- 恋人とのデート用
- 家で一人でいるとき用
この2つの状況で、捉えるべきはジョブは異なってきます。
前者なら「かっこいいと思われたい」ですし、後者なら「ゆったりと過ごしたい」となります。
このようにジョブはユーザーの置かれた状況によって異なるわけです。
ジョブ達成は感情・社会的な充足につながる
ジョブ達成は、機能的な解決だけでなく、感情的・社会的欲求の充足(=ご褒美)が付随します。
例えばメガネを買った時のジョブ達成は、「目が見えない状態を解消する」という機能的な解決があります。
ただ一方で
- 周囲の景色が鮮明に見える→「快適だ」という、感情的欲求の充足
- 「おしゃれな雰囲気でおしゃれと思われる」「仕事できる人間と思われる」と社会的欲求の充足
と機能的な側面とは、異なる満足度も得られますよね。
このようにジョブ達成は、機能だけでなく感情・社会な側面まで多角的に捉えて、それぞれの満足度を高めることで、より高い達成度につながるのです。
ジョブ理論は、「現在からより良い方向へ進歩したい」という大前提に立っています。
これは人間がそもそも生物だ、ということから考えられます。
つまり、生物には本能的に「進化欲求」があるわけで、その進化欲求を満たすために、特定の状況ごとに「より良い方向へ進化したい」という生物的な本能から、あらゆるニーズが発生するわけです。
それが「機能的」「感情的」「社会的」の3つに区別できるのです。
ソリューションはいつでも解雇変更が可能
ユーザーはジョブを達成するために、ある商品・サービス(解決策)を雇って片付けますが、解決策自体はいつでも「解雇」=変更可能です。
つまりニーズさえ満たしてくれれば、ソリューションはなんでも良いわけです。
反対に条件を満たさない、プロダクトの利用を停止したり、もっと良い代替品を使用したりするのです。
つまり生物の生存競争と同じで、めちゃシビアなので。。
マーケティングにおけるジョブ理論の立ち位置
ジョブ理論に基づいて考えるなら、マーケティングで常に問うべきは
- 「ユーザーはどんなジョブを片付けるために、プロダクトを雇用・買うのか?」
です。
この点を深堀りして、解決策を考えていくことこそ、マーケティングです。
そして『ジョブ』を考える上では下記の2つの視点が重要です。
- ユーザーはほんとうにそのジョブを片付けたいのか?
- そのジョブはユーザーにとってどれくらい重要か?
企業は「機能がいい」「品質がいい」など訴求ポイントを伝えがちですが、それらは企業目線で考えられており、ユーザーのジョブを踏まえてないケースが多いです。
ジョブ理論はあくまでユーザーのニーズがまずありきで考えられます。
企業もそのニーズをために、サービスや商品を考えなければなりません。
【実践】ジョブ理論を使いこなせ!
ジョブ理論では顧客の定義が優先!
ジョブを掴む(商品を購入する理由を知る)ためには、まずは特定のユーザーの定義が重要です。
その際、おすすめなのはターゲットを属性(年齢・性別、地域等)で定義するのではなく、ジョブを中心に、そのジョブを共通としてもつ集団を集合体で捉えるという発想です。
ジョブ理論を使いこなす3つのステップ
ジョブ理論では常に下記の3つのステップで思考するようにしましょう。
- 特定の状況は?
- 発生するジョブは?(購入理由)
- 期待する成果は?
例えば、「サーティーワンのアイスクリーム」という商品で考えてみましょう。
■特定の状況
- 休日、買い物が終わった後に
■発生するジョブは?(←ジョブの集合体)
- 甘いものを食べて疲れを癒したい
- 友人とゆっくり会話できる時間が欲しい
■期待する成果は?
- 甘いものを食べて気分をスッキリさせる
ジョブを考える際は「商品としてのサーティーワンのアイスクリーム」(→滑らかな舌触り)などではなく、サーティーワンのアイスクリームを購入して手にできるベネフィットを考えるアプローチが必要です。
ターゲットの指標を属性(性別や年齢、地域等)としない方が良い理由は、「誰が」から考えると、マーケターが扱いやすいようなターゲットが仮想されるケースが多々あるからです。
その結果、「あれ?商品・サービスが思ったように売れないなあ」という現象になる。
やはり「なぜ」・「購入理由(ニーズ)」が一番初めにきて、その後に「誰が、何を買うのか?」を考えていった方が、自然です。
ちなみにジョブ理論は誰が提唱したの?
クレイトン・クリステンセン教授です。
彼は経営思想家トップ50にも選出され、マッキンゼー賞も5回受賞するなど超有名な教授さんです。
『イノベーションのジレンマ』『イノベーションへの解』をかき揚げ、イノベーション研究の第一人者です。