キャリア・スキル

コンセプトの『作り方』の基本、教えます。【完全初心者向け】

こんにちは。集客デザインの編集部です。ライター高橋です。

この記事では、コンセプト作りの超基礎的な知識を解説していきます。読者の想定は、コンセプトってどうやって作ったらいいの?と悩んでいる方です。基本的に難しいことは言ってません。なのでスラスラ読めると思います。また他分野に応用可能な内容になっているので、かなり役立つと思います。

コンセプトとは?

最初にひとつ覚えておいて欲しいことがあります。それは、あなたが商品なりサービスなり、”新しいなにか”に触れたとき、そこにはかならずコンセプトがあるということです。例えば、ものづくり、パッケージデザイン、新事業立ち上げ。ブランドの再定義、新店舗の売場づくり、地方自治体のイベント開催等々。基本的に、どんな企画やプロジェクトの背後にも、「コンセプト」があると思ってください。

さてコンセプトとは、辞書によると、

① 概念。
② 意図。構想。テーマ。

とあります。

とはいえ、これだけ覚えていても、なんらビジネスに活用できません。だからコンセプトをビジネス的に定義するなら、『企画がどこへ向かうのか?その方向性を定めるもの』です。言い換えるなら、『すべての企画の原点』のがコンセプトです。

コンセプト作りの基本は、「ビジョン」をもつこと。

「新企画を考えて。コンセプトもコミコミで。」ある日突然、こんなことを上司に頼まれたら、どうでしょうか。大半の方は困ってしまいますよね。

『新企画×コンセプト作り』は、まったくイチから考えるので、そもそも辛いです。最悪の場合、『どこから手をつけるべきか』が分からなくなってしまいます。さて、そんなときに助けとなるのが『想像力』→『ビジョンを思い描く』ことです。

「あったらいいな〜」を想像してみる。

コンセプトはいきなりパッと思いつくものではありません。とくにこれまでになかった新しいコンセプトを作る場合はなおさらです。

先ほどの『想像力』→『ビジョンを思い描く』。これをもう少し分かりやすく言い換えると、「あったらいいな〜」「〜すればもっと良くなるのに」を自分で描いてみることです。

例えば、航空会社で、他社には考えつかない斬新なサービスを考えろ、という話が持ち上がったとき。もちろんすぐに「斬新なサービス」なんて思いつかないので、例えばこう考えてみます。

「100%遅延しない飛行機があったら面白いな〜。」

「長距離飛行でも疲れないシートがあればいいな〜」

「高齢者の方が、国内だけじゃなくて海外に積極的に出かけたくなるような仕組みがあればな〜」

これはただの“願望”や”想像”にすぎません。でもいくつか挙げていくなかで、降って湧いたように、コンセプトの基礎となる要素が見つかったりします。

コンセプトを作る基本は、資料を漁って情報取集する前に、「脳内をぐるぐるかき回してみる」「ありえないことを想像してみる」「これがあればいいのにとワガママをいう」ここから始まります。

とはいえ・・・ビジョンは『未知の良さ』も同時に模索してみよう!

コンセプトの初歩は「○○があったらいいな」と“問いかける”ことから始める。つまり「いまはないけど」(=未知)を「もしあったら」(=未来には存在してるかも)と想像することが大切です。

だからもっと大きく「こんなものがあったら世界や社会が面白くなるはずだ」と考えてもよいです。(←この想像自体、まったく論理が通らないような馬鹿げたものでもよいです)

例えば、上記の航空会社の場合。

「翼のない飛行機があれば面白いだろうな〜」

「飛行中に、機内と機外とを自由に行き来できたら良いな〜」

「四方八方、空の景色で埋め尽くされるような飛行機があればな〜」

ものすごく非現実な話をしているようですが、ここではあなたの理想に“向き合って”、“素直である”ことが大切です。

コンセプト作りは、「すぐ」より「これから先」を思い描くこと。

「ビジョン」はあくまで理想です。そのため、コンセプトメイキングの初期段階では、「現実性」や「実現可能性」は一旦傍において、考えたほうが良いです。

というのも「実現可能性」から考えをスタートすると。→あなた)「機能のどこを改善すればいいかな?」「よし!一週間かけてネットでマーケットの分析しよう」「資料をよみあさろう」と思考が”現実”に向けられてしまいます。

そうなると、「これをしようとすれば、こんな弊害があるな・・・」と、あなたの想像力に制限がかかってしまいます。

シェアリングエコノミーを例に考えてみよう。

例えば自動車業界のシェアリングエコノミーの場合。このサービスは「個人が保有する遊休資産を、ネットを介して個人間で貸借りや交換をして、他者とシェアする」ものです。

シェアリングエコノミーという発想で重要となるのは、数字やグラフと一日中向き合っていても、おそらくこんな面白い発想が生まれなかっただろう、ということです。(←わたしの個人的意見ですが)

自動車の利用者(「ヒト」の立場)に立って、「こんなことがあったら面白いだろうな〜」と想像してみる。そこから「持つんじゃなくて、使おう」という発想が生まれて、そこにネットが絡んでくる。

「いまあるサービス」や「既存の機能」はただ一面を代表しているにすぎません。「あったらいいな〜」という違った視点からみると、新しい発想が生まれてきます。

とはいえは、ビジョンだけでは足りないのも事実。

ここまでは、コンセプト作りの第一歩を、「こんなのがあったらいいな〜」(=ビジョン)と想像することからスタートするようオススメしてきました。

以下はちょっと難しいことを言います。分からなかったら飛ばしてもらっても良いです。

”あなたの情報力”を鍛える。

想像力や発想の源は、『あなたの情報力』と密接に関わっています。ここで言う『情報力』とは、商品やサービスの機能や効能、マーケット動向やユーザー特性等、平均的数値の情報だけではありません。それとは真逆の『主観=あなたの情報力』も必要となってきます。

例えば、すっごく抽象的ですが、

1.自分の感覚・感性から、生活者の気持ちをじっくり観察し、洞察を得る。

2.ユーザの生活にあなたが徹底的に共感しながら、見えない価値を捉える力。

このように主観の情報力を鍛える。そうすることで、「客観的な知識」+「あなたの感じ取った知識」とを混交させて、より広い視点でコンセプトを考えることができます。

これを「あなたの情報力」と言います。

異質な情報を組み合わせることで見えてくる。

「ビジョン」は時に異質な情報を組み合わせることで、今までになかったアイデアが生まれることもあります。

例えば、先ほどのシェアリングエコノミー(特にカーシェアリング)に関して考えてみましょう。ここでは2つの視点が重要です。

1所有→利用という観点。

2インターネットを通じて自動車を「共有する」という視点。

この2点のうち、後者は、「自動車」×「ネット」と言う異種の分野を組み合わせていますよね。

このようにコンセプト作づくりでは、「既存の要素」を、自由に「他の分野」と掛け合わせることで、情報を加工する。それによって、今までになかった新しい関係を創造することも大切です。

コンセプトは「新しい価値」を創ること。

ここで立ち止まって考えてみてください。顧客やあなたが「こんな商品があればいいのに・・・」と思う気持ちの底にはなにがあるでしょうか。

それは「いまはない」けれど、「もしあったらいいな」という『願望』ですよね。あるいはこう言い換えることもできます。

“いまはないけど”、もしも“新しい価値”が生まれたら、もっとわたしたちの生活がよくなるのに・・・」

コンセプト作りで大切なのは、「今のあり方はこんな」だけど「いつかこうなればもっとよくなる」という“変化”を考えることです。

それが、”新しい価値”を創ることに繋がります。

【企画書を作る前に】コンセプトは”短い言葉”で表現しよう。

コンセプトは、いわばプロジェクト全体に関わるキャッチフレーズです。そのため、コンセプトを言葉で表現する際には、多くの人々に覚えてもらい、伝わるような短い言葉で表現した方が良いです。

例えば、「感動した映画」を友達に説明するとき。

あなたは作品の魅力を、逐一あらすじから説明していくでしょうか?おそらくそんなのは「退屈」ですし、結局何が言いたいのか分からなくなることだってあります。

だから、反対に「この映画は、人権の問題を迫害者の立場から描かれている悲劇だ」みたいな単純な一言で表現する。そして、聞き手が興味を持った時点で、「この映画はね・・・」と始めるはずです。

コンセプトは長い説明ではなく、皆が簡単に覚えられる言葉で、なおかつその言葉を聞いて、具体的なイメージを喚起させる言葉が良いです。

コンセプトは自分の持っている視点から切り取る

人の心を揺さぶるコンセプト。これは誰も気づかなかったものをアイデアを、ユーザに気づかせることにも繋がります。iPhoneも誕生した当初、一時期、そのアイデアは受け入れられませんでした。ところが、徐々にそのそのアイデアをユーザーが気づき始めて、その際に、自分の持っている”視点”が極めて大切です。そしてその視点をコンセプトという言葉で表現することで”新しい価値”になります

価値のわからない時代だからこそ、誰かに価値を与えることができる。価値の判定者は、まず「自らの視点である」と考えてください。

まとめ:コンセプトは自分の持っている視点から切り取る

いかがだったでしょうか?後半は少し難しかったかもしれません。でも最後にコンセプトはやはり「自分の持っている”視点”」が極めて大切です。それが『誰も気づかなかったものをアイデアを、ユーザに気づかせること』にも繋がっていきます。

価値のわからない時代だからこそ、誰かに価値を与えることができる。価値の判定者は、まず「自らの視点である」と覚えておいてください。

以上です。

 

ABOUT ME
たかりょー
30代男。地方の大手Web会社のWebディレクター・Webマーケッター・ブロガー。ビジネスの上流を担当し、常時15案件以上のWeb案件を抱えている。読書は年間100冊ほど。10年間継続中。 集客デザインでは、マーケティングや集客術、ビズネスマンのスキルに必要な情報をメインに発信しています。