・未経験でWebディレクターになろうと思っている人
・Webディレクターって実際どんな仕事をしているのか気になる人
こんな人向けに記事を用意しました。
僕は地方では大手のWeb制作会社でWebディレクターで働いています。
多い時には18案件ほど抱えており、メインディレクターとして後輩たちの育成もしています。
(企業サイトからECサイト、メディアサイトまで幅広く手がけています)
そんな僕が、実際の現場で経験しているWebディレクターの仕事内容、業界内から見た時の将来性についてお話しします。
※今回の話は「Web制作会社で働くWebディレクター」の方がニュアンスとしては強いです。企業内のDX人材として働くWebディレクターとは、若干ニュアンスが違うかもしれません。
なぜWebディレクターがおすすめの理由
まずWebディレクターがなぜおすすめなのかを紹介しましょう。
端的には下記の3つになります。
- 将来性が高い
- スキルを磨けば年収が上がりやすい ・キャリアチェンジがしやすい
それぞれ説明していきますね。
将来性が高い→今後もIT人材自体が不足するから需要がある(OK)
IT人材は深刻な人材不足になっており、2025年には43万人、2030年には79万人も不足すると言われています。
Webディレクターは歴としたIT人材ですから、デザイナーやエンジニアなど専門職をまとめるなどの現場の経験や広範な知識のある人材であれば、当然ながらここ数年間はどんどん需要が増えていきます。
現段階でもマイナビなどの大手ポータルサイトには地方から都会まで幅広い求人があります。
理由としてはWeb制作業界は人材の流動性が高い業界でもあるので、どの会社もWebディレクターの人手不足に悩んでいるケースが多いです。
実際僕が働いているWeb会社は地方においては知名度も高く応募数もめちゃくちゃ高いのですが、時期によっては人手不足に悩むこともあります。
スキルを磨けば年収アップも!Webディレクターの年収は?(OK)
結論、Webディレクターの年収は大体年収300万中盤から後半です。(普通のスキルをもつ人間であれば)
下記のindeedには月給¥378,123と書かれています。
月給 ¥378,123
https://jp.indeed.com/career/webディレクター/salaries
ぶっちゃけ案件ガッツリ回している僕でも400万円くらいのもんです。
ただ注意が必要のは地方と都会(東京や大阪)、また所属する企業の規模感によって、もらえる年収にはばらつきがあります。
例えば実際、僕が以前勤めていた地方の小さなWeb制作会社では、Webディレクターだと年収は200万円後半くらいで、正直全然給与がもらえませんでした。
具体的には賞与は払えないし、ベースアップもなしって感じでした。
なぜこのような格差があるかというと、Web制作会社で稼げているのはごくわずかだからです。
つまり受託制作型のWeb制作会社は、利益が安定しないビジネスモデルである上に、Web制作会社は売上の5~6割を人件費が占めているからです。
安定せずに利益水準も高くないとなれば、当然、スタッフに払う賃金も減っていきますよね。
そのためWebディレクターとして働き、かつ高い給与水準を求めるならば
- 地方自治体や中小・大企業の案件をやっているか?
- 高単価のWebサイトを作っているか?
- 企業内でデジタル人材としてWebディレクターを募集している
こういったところはしっかりと見ておく必要があります。
Webディレクターとは?
クライアントのビジネス戦略を踏まえて、企画立案からコンテンツ設計、プロジェクト管理、クライアントとの折衝、社内メンバー調整、サイト運用と、Webサイト制作をはじめとしたプロジェクト全体に幅広く携わる仕事です。
Webディレクターの仕事は、プロジェクトを管理・進行する役割だとみなされることが多いですが、それ以外の役割もたくさんあって、厳密には「Webを用いた課題解決の各種提案と制作進行をする人」と考えてもらった方がいいです。
Webディレクターはどんな人に向いているのか?
- コミュニケーションを取ることが好きな人
- 知識欲旺盛な人
- 思考を整理するのが好きな人
- 自由な環境で働きたい人(服装など)
Webディレクターのキャリアビジョン
Webディレクターになった場合、下記2つのキャリア的タイプがあります。
そしてキャリアも自分の立っているタイプに合わせて進んでいく方向性を決めた方がいいです。
- SEOや広告など集客支援もできるコンサルティング型のWebディレクター
- 専門分野領域に詳しいクリエイター型のWebディレクター
前者はまさに僕です。
デザイナーやフロントエンジニアの経験がなしで、ライティングやSEO、Webサイト分析改善またコミュニケーション能力があって、業界理解をちゃんとできる、いわゆるコンサルティング系のWebディレクタータイプ。
後者はこれまでデザイナーやフロントエンジニアなど技術職畑にいて、ステップアップのためにプレイヤーではなくWebディレクターになるタイプです。
こちらのキャリアの人はこれまでのプレイヤー経験を生かせるので、Webサイト製作時にデザインからシステムのことまで社内外の関係者と深く話せます。
田舎のWeb会社は圧倒的に前者が多い気がします。
なぜなら技術職畑にいる人は、あまりクライアントと話すのが好き(得意)ではなく、ずっとプレイヤーとして働きたいという人が多いからです。
とはいえ、どのキャリアタイプでも、将来的にはWebプロデューサーやらマーケター、あるいはWebコンサルタントなどのステップアップが見込めます。
Webディレクターはどんな仕事内容なの?(中)
Webサイトの制作は一般的に下記の流れです。
ヒアリング→要件定義→戦略立案・企画→デザイン提案→全体のコンテンツ設計→デザイン・フロントエンドなど制作スタッフ陣とWeb制作を進める→品質チェック→納品。
そして実際に僕がやっている仕事は下記です。
- 最初にクライアントと打ち合わせをし、ビジネスの課題を整理
- その後戦略立案・要件定義。ここではクライアントと何度か話し合って意向を確認することもあります。
- 課題整理後にデザインやコンテンツ設計する(ここでマーケティング戦略とデザインを考えて、クライアントにその内容を施策提案する)
- クライアントに提案が通ったら、制作スタッフ陣とWebサイトに具体的に落とし込んでいきます。(基本的にはデザインを作った後に、システムに組み込んでいく作業)
- お客さんに何度が確認してもらった後に、品質チェックをして、納品。
このように上流工程(クライアントへのヒアリングからコンテンツ設計)から下流工程(Webサイト構築から納品まで)と制作業務全体に携わるがWebディレクターの仕事です。
【Webディレクターの仕事内容をpickup】
下記に僕が実際にやっているWebディレクターの仕事内容をあげておきます。
- プロジェクトの進行管理
- 予算管理
- 業界リサーチ
- クライアントへの提案プレゼン・各種打ち合わせ
- 提案書作成
- 自社のデザイナー・コーダーの取りまとめ
- 品質チェック
- アクセス解析・効果測定
Webディレクターはデザインやコーディングを知らないとできない?
Webディレクターを目指している人にとって、実際の制作知識や経験・スキルがいるかのかは、気になるポイントかもしれません。
こちらは結論、「不要」です。
実際僕自身も、デザインを作ったこともなければ、コーディングもしたことはありません。
そんな僕でも15案件かかえられており、お客様に満足いただいたWebサイトをたくさん納品しています。
また僕の職場には未経験からWebディレクターも全然活躍しています。(デザインできる人より、有能な人はいっぱいいます。)
なぜ制作知識が不要なのか?【非常に大事な思考】
Webサイトを作る上で大切となる思考は、Webサイトは「ビジネスの課題解決ツール」だということ。
つまり、webの実装技術やデザインのことは、Webサイトの表層部分であって最も根源的なのは、売上をあげたい、会員を増やしたいなど、クライアントの課題をどうやってWebサイトを用いて解決するかなのです。
だからこそWebディレクターにとっては、デザイン・コーディングといった制作知識は、正直あればいいねレベル。
どちらかというと、
- マーケティング知識
- 情報設計力・構成力
- ブランディング知識
- コピーライティング知識
といったビジネスの課題を解決するスキルの方が求められるということです。
さらに加えるならば
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- 持続力
- 責任感
といったビジネスマンで求められる能力に秀でている方が、Webディレクターとして活躍することができます。
大切なのは、スキルでどこを尖らせるのか?
上記で説明したように、制作知識や経験・スキルなくてもいいですが、あえていうならば、スキルで何か光るものが求められます。
僕の場合は、Webサイトの構成力や業界への理解力(知識の柔軟性)、コミュニケーション能力は周りよりも秀でています。
そして秀でているものがある人は、評価されます。
すると給与水準も高くなります。
なのでWebディレクターになりたい方は、必ず自分が有するスキルで「ここに秀でています」という点をどんどん磨いっていった方がいいです。
Webディレクターで必須スキル厳選3選【現役ディレクター解説】
ここでは現役で働きながら「活躍するならこのスキルは必須だな」を厳選して3つ紹介します。
- コミュニケーション能力
- 情報整理力
- 業界理解力
コミュニケーション能力について
Webディレクターとして最も重要なスキルです。
なぜならWebディレクターは社内外の折衝を担当する位置にいるので、実際にはメール対応からオンライン対応、また対面含めて、クライアントやメンバーと接する機会が最も多く、毎日多くのコミュニケーションに費やされるからです。
例えば、
- 最初の課題整理(クライアントとの話し合い)
- 毎日のメールのやりとり
- チーム間のスケジュール調整(社内とのやりとり)
こういった業務に追われます。
なお一つだけ。
これは僕の持論ですが、Webディレクターのコミュニケーション能力として大切なのは「どれだけ熱心に、一つの案件に向き合っているか」です。
かなり精神論になっていますが、案件ベースで考えた場合、Webディレクターが一番真面目に取り組んでいると、社内外関係なく案件に関わっている人は、誰でもあなたについていきたくなるはずです。
情報整理力・構成力
Webサイトを作るときに、クライアントはあれもこれも情報を載せたいという意見が出てきます。
Webディレクターはこれらのクライアントの要望に優先度をつけて、情報まとめる必要があります。
そして情報整理した後に、TOPページから下層ページまで、動線を含めてWebサイト全体の構成を組み立てる必要があります。
Webサイトはあくまでデザインを作るではなく「コンテンツ」を作るが優先度として高いので、この情報整理力と構成力は非常に重要なスキルだと考えた方がいいです。
業界理解力
僕がWebディレクターをしながらの経験則で考えると、業界理解は最も重要なスキルWeb制作をする際
なぜなら業界を理解しないことには、「どうやって会社を売り出すか?」を深くまで考えられないからです。
業界理解というと、途方もないように聞こえるかもしれませんが、手っ取り早いのはその業界のビジネスモデルを掴むことです。
例えばサプライチェーンと呼ばれる商品や製品が消費者の手元に届くまでの全体の流れを意識しながら、「その業界ではどこでお金が発生するのか?」を捉えることです。
>Webディレクターの市場価値を高める知識・スキル【30選】
Webディレクターの大切なマインドをアドバイス
現役のWebディレクターが現場で働いて、大切なマインドや思考をご紹介します。
未経験の方にとってもこのマインドは大切にした方がいいです。
もう少し語りたくなったので、大切なマインド・思考をもっと詳しく書いています。
>もう少し語りたいWebディレクターの大切なマインド・思考25選
Webサイトは「ビジネスの課題を解決するツール」こと
Webサイトを作る目的は、課題の解決です。
クライアントが求める課題は例えば、下記が多いです。
- サービス・製品の購入を増やしたい・資料請求を増やしたい(お問い合わせ)
- 企業・団体・製品のイメージアップ
- 採用を増やしたい
これらをWebサイトを用いて解決します。
なのでWebサイトを作る初期段階には、「課題を明確にする」ことが大切。
そしてそこの課題感をクライアントともに共有しながら、どうやってその課題を解決するのかを常に意識しながら制作を進めていった方がいいです。
必要なマインド
「Webサイトはビジネスの課題を解決するのだ!」
Webサイトはデザインを作るではなく、コンテンツを作る!
まずWebサイトはデザインを作ることではありません。
コンテンツを作っているのです。(Webコンテンツという限定的な表現では)
なぜなら、ユーザーは優れたデザインを求めてWebサイトに訪れているわけではないからです。
あくまで最新の情報やなどのWebコンテンツを求めてWebサイトを求めてやってくるからです。
つまりWebディレクターの役割としては優れたWebコンテンツを作るのが非常に重要です。
必要なマインド
「Webサイトはイチにコンテンツ!ニにコンテンツ!サンにコンテンツ!」
やっぱり大事なのは責任感
Webディレクターは統括役でもあるので、やはり責任感は非常に重要。
例えば僕の場合は地方ではある程度ネームバリューのあるWeb会社に勤めているので、クライアントからの期待値も高く、時に「期待を下回った」と厳しい意見をもらうケースもあります。
こういう風に考えると、Webディレクターの仕事を全体で考えた場合、正直、イージーな仕事にはならないケースが山ほどあります。
当然クライアントからは「あれをしたい」「思っていると違う」など意見がぶつかり合うこともたくさんあります・・・
だからこそ必要なのはWebディレクターとしてクライアントの期待に対して責任感を持って取り組んで、その期待を超えていくようなパフォーマンスを発揮するような努力が必要です。
必要なマインド
「なんといっても、責任感が大事だよ。まとめ役なんだから」
トラブルに対応できるのが腕の見せ所
Webディレクターは常にトラブル対応をしなければなりません。
例えば、サイトリリース直前に、突然、大きなコンテンツを要請されたり、営業の見積もりが甘かったせいか仕様についての認識のずれなど。
あるいはデザインを作る上で、クライアントの意向を全然受け止めてもらえなかったり。
このようにWeb業界の現場では、正直トラブルがないというのはないくらいトラブルが多発しています。
なのでWebディレクターとしてはトラブルが起きた時に、どうやって最小限のリスクで、最短の解決方法が見つけるのか、が腕の見せ所と考えた方がいいです。
必要なマインド
「うまくいったではなく、うまくいかない時を」