こんにちは。集客デザインの編集部です。
突然ですが、この記事を読む前にあなたが”参入している業界”を思い浮かべてみてください。
そして以下の項目をそれぞれ問いかけてみてください。
- その業界にはライバルとなる企業がどれくらい属しているか。
- 競合他社と比較してあなただけの商品やサービスはあるか。
- それらはずば抜けて突出しているのか、それともある程度違うだけなのか。
- サービス面でクライアントやお客様に選ばれる工夫をしているか。
- 人件費や原材料など無駄を徹底的に省き、コストを抑える努力をしているか。
- 集客施策を考えなくても時がなんとかしてくれる、誰かがなんとかしてくれると他力本願になっていないか。
ライバルひしめく業界に身を置いているあなたなら分かると思いますが、競合が拮抗していればいるほど業界で“長く生き残る”戦略は簡単には立てにくいものです。
とはいえ、いまこの瞬間にも、周りのライバルはあなたに勝つための戦略を考えているかもしれません。集客はこれをしておけばまず大丈夫、という答えはありません。
ただ、なに1つ打ち手を考えていなければ、長く経営を続けていくことは難しくなってきます。
今回は、集客を仕組み化する上で、大切でありながら、すぐに実践できる内容をご用意しました。競合に負けない戦略を考える際、ぜひ一度参考にしてみてください。
競合が拮抗している業界は、勝つか負けるかの“戦場”です。
まずはこの点に簡単に触れておきましょう。
以下を見てください。
a.2匹の犬に、1つの餌を与えるか。
b.30匹で群れをなす犬の集団に、1つの餌を投げ入れるか。
どちらが競争状態として高いと言えるでしょうか?
もちろん、後者のほうが「1つの餌に対する」競争が激しくなりますよね。
前者の場合は、2匹しか餌取りに参入していないので、1つの餌を獲得するために発生する“リスク”は低いわけです。
つまり、一方の犬が我を張って、餌を独り占めしようとしなければ、基本的にどちらも餌にありつけるはずです。
ところが後者の場合は、1つの餌に対して、30匹もの犬が群れをなして押し寄せてくるわけですから、当然、餌を獲得するためのリスクが高く、熾烈な争いがおきます。
一つの座を争ったまさに“奪い合い”や“戦い”が起きる訳です。
“競争”が発生する要因は、業界構造のあり方や、外からのパワーなど様々にありますが、もっとも単純でわかりやすいのが、その業界に“どれだけの企業”が参入しているのか、という点です。
もし競争状態が激しい業界であれば、全てが生き残ることは難しく、一部はかならず淘汰されていきます。
これは資本主義的生産様式を採用している国においては、問答無用に起きる”現実”です。
では、競争が激しい業界で、生き残っていくためにはどうしたら良いでしょうか?
集客ヒント①業界内で“あなただけの強み”を勝ち取る。
“あなただけの”とは、簡単に言えば、あなたの属している業界で「独自性」を確保していくことです。
ゆえにあなただけの強みとは、“あなただけの独自性”とも言えます。
そして、その独自性が業界内やお客様間に時間とともにどんどん浸透していくと、他社とは違う「優位性」を有することになり、他ではなく、あなたのサービスや商品が選ばれやすくなります。
これは「差別化」とも言い換えることができます。
例えば、同じ1つのジャガイモを売るにしても、3店舗が3店舗、同じ価格で同じ品質の商品を販売していては、そこに程度の差こそありますが、事実上の「差別化」は生まれていません。
そうなると、消費者はどのお店のジャガイモを買っても同じとなるので、“あなた”のジャガイモが選ばれる可能性は、確率的に不透明です。
逆に、無添加の肥料を使用、こだわった原産地、他のお店よりも接客が親切丁寧など。
このような独自性を作り出し、3店舗のなかで質的な差別化していくことによって、「無添加を使っているから」「〇〇産だから」と言った具体的な動機や欲求をお客様から引き出せます。
その結果、他のお店“よりも”商品が売れる状態になるのです。(→これが浸透すれば先ほどあげた業界内での“優位性”に繋がっていきます)
もっとも「優位性」や「差別化」は1日2日で簡単に生まれるわけではないので、今できる最善は、あなただけの”売り”を明確にすることです。
もしもその“売り”が見つかれば、競合他社が拮抗している業界のなかで、それが集客において勝てる“打ち手”になるかもしれません。
集客には絶対欠かせない”USP”について知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
集客ヒント②お客様のニーズ(必要)を汲み取る。
ここでポイントとなるのは、「売る相手が誰なのか」を想像してみることです。
ターゲティングという言葉もありますが、それはより大規模で実際的な分析が必要となってくるのでいまは置いておきます。
ただそのような分析がなくても、いまこの場でお客様の顔を思い浮かべることができるはずです。
そして、もしそのお客様が、現在あなたの“売る相手”であるならば、いったいなにを”必要”(ニーズ)としているか考えてみましょう。
それが集客施策を立案するヒントになる潜在的な可能性を秘めています。
妄想はお金がいらない。集客につながる”きっかけ”が見つかるかもしれません。
現状は、実際的な行動を起こすわけではない(つまり、費用が発生しない)ので極めて“主観的な妄想”でも良いです。
・あのお客様っていつもこう言ってたよな。
・そういえば、お客様からこれこれがあるからお店にまた来たくなるんだよって言われたな。
このような何気ない会話の断片でも良いので、その言葉をじっくり反芻してみて、“仮定”としてお客様のニーズを考えてみてください。
万が一、そのような具体的な会話が思いつかない方は、日常の小さな“気づき”にも集客のヒントが隠されています。
・例えば、ありがとうって普段使ってるけど、改めて言われると妙に嬉しいよな。
・いつも思うんだけでなんで女性と男性とで、こんなにも売上が違ってるんだろ。
このような気づきから、お客様のニーズを“仮定”してみてください。
その仮定こそ、将来の集客の“芽”になるかもしれません。
集客ヒント③あなたはどんなサービスを提供していますか?
これはとても簡単な質問ですね。
自動車販売店なら「うちはもちろん車を売ってるよ」、スーパーなら「野菜から肉、魚、日用雑貨まで幅広く販売しているよ」とすぐに答えられます。
ではもう少し踏み込んだ質問をしてみましょう。
あなたがお客様に提供しているサービスや商品のなかで、“モノ以外”に何か満たしているものはありますか?
つまり、モノを基準に考えず、お客様の“体験”自体をしっかりと捉えてみてください。
モノの豊かさを売るのではなく、コト(体験)の部分にも目を向けよう。
取引が発生している現場では、売り手も買い手も個々“ヒト”です。
そこでは製品機能や品質だけでは捉えきれない、主体同士の“体験”も同時に起きています。
先ほどの例で言うなら、自動車販売店であれば、ただ車というモノを売っているだけでなく、車を売ることで「現在とは違った生活」をお客様に提供しているかもしれません。
あるいは、スーパーであれば、もちろん食材や日用雑貨を販売することは当たり前ですが、もっと根本を掘り下げれば、衣食住のなかでも、とくに食住の部分に「彩を与えている」とも言えます。
現在はモノだけでなくコト(体験)や価値も求められている時代です。
集客に必要なのは、お客様の立場に立ちつつ、体験で得られる価値に目を向けてみる。
すると競合他社が想像もしない斬新なサービスを思いつくかもしれません。
まとめ|これまで考えたことをメモで言葉にしてみよう。
ここまでの軌跡を辿ると、
①商品やサービス面であなただけの独自性を考える。(あなたの提供できる”モノの強み”を考える)
②お客様に視点を移しニーズを考える。(あなたの目の前の”顧客”を考える)
③モノ尺度では測れない体験や価値を考える。(あなたの提供できる”コト”を考える)
でしたね。
とは言え、これまで紹介した順に正しく思考していったとしても、考えとして形をなさず、即座に具体的な集客施策を完成させることは難しいかもしれません。
そんな時には、考えたことをあなたの言葉として、白紙のメモに書き取ってみてください。
手を動かし、言語にしてみることで、頭のなかの漠然としていたイメージが、みるみるうちに具体化していき、内容が豊かになってくるはずです。
理論やフレームワークに頼る前に、自分で考えてみることが大切。
集客施策や競争戦略と聞くと、世の中に数多くの理論があり、STP戦略(Segmentation/セグメンテーション、Targeting/ターゲティング、Positioning/ポジショニング)、3C分析(Customer/市場、Competitor/競合環境、Company/自社環境)、マインドフローなど、形式的なものに頼りっきりになりがちです。
わたしはそれら理論やフレームワークを一切否定はしませんし、(実際、他記事であらゆる理論をご紹介していくつもりです。)自社や競合を分析する際の助けになってくれるに違いありません。
そうは言っても、やはり集客に対する課題を自身で考え、解決も自信で模索していくという姿勢も、集客戦略を立案する際には必要です。(これはお金をかけずにできることですし。)
そのプロセスのなかで湧き出た問題意識が後々、具体的な集客施策に落とし込んでいくときの、手がかりになることもあるはずですから。
(そして理論やフレームワークは、その時の補助として役立たせることもできますよね)
だから、まずはお金をかけずに、自らの商品やサービスのメリット・デメリットを考え、集客方法の糸口を掴んでみても良いかもしれません。